【国庫融資】前年度が赤字でも国金で融資を受けることは可能なのか?赤字決算で資金調達に成功した社長の体験談。面接で聞かれるポイントと対策とは?【日本政策金融公庫】

【国庫融資】前年度が赤字でも国金で融資を受けることは可能なのか?赤字決算で資金調達に成功した社長の体験談。面接で聞かれるポイントと対策とは?【日本政策金融公庫】 お金

かなり前ですが「はてなブログ」でこんなエントリーが話題になり物議を醸していました。
「4ヶ月で大学を中退し起業します。レールに沿ったつまらない人生はもう嫌だ。」(石田くん)

まぁざっくり言うと、レールに沿った人生がイヤだから大学辞めて起業する。。。って宣言?なのですが。
今現在彼がどこで何をしているかはまったく興味がないので調べてもいないですが、一時期流行りましたよね、起業w
(今も起業=かっこいい!イケてるって風潮は東京とかだとあるのかなwww)

本来的には成し遂げたいことがあり、その手段として起業ってのがあるかと思いますが、よく言われているように起業が目的になってしまい会社を作ったはいいが、どこに向かうか分からず結局webメディアを作ってアフィリエイト。。。なんとなくwebサービス作ってみたけどまったく利用者がいない・・・なんて笑えない話は結構聞いたりします。


筆者の認識では起業とスタートアップというのはまったく異なるので、ここで言う起業とは単に事業を興すって意味です。

個人的にはその人の人生設計やその時に財務状況、家族構成なんかによって判断は違ってくるかと思いますが若い人が事業計画もなく勢いだけで起業することはそんなに悪いことではないかと思っております。
色々頭で考えて無駄に年をくうよりは、パって行動して失敗を繰り返して徐々に前に進んでいった方が結果として起業したい人にとっては有意義な時間の使い方なんじゃないのかな、、、と思うわけです。

ここではどうすれば事業が上手くいくのか?
起業して成功するには?といったことを書くのは趣旨がずれますし、筆者自身も5年後、10年後にはどうなっているのかなんて誰にも分からないですから割愛させて頂くとして、事業を始めるための資金調達について経験談を交えて綴っていきたいと思います。

会社は1円では作れません

よく会社は1円で作れる!とか聞いたりしますが厳密には1円では株式会社を作ることはデキません。
確かに2006年5月に施行された新会社法により、資本金が1円でも株式会社を作ることが出来るようになりましたが、自分で設立するとよく分かると思いますが最低でも法人登記までもっていくのには約24万円ほど必要です。

【実録】株式会社の作り方~自分で1から会社を作ってみた~

筆者は行政書士とかに頼まず、株式会社を自分で設立したのですが意外とお金がかかって涙が出そうになったのを覚えています笑

ちなみに株式会社を作って代表取締役という肩書が欲しいだけであれば資本金を1円にすればよいでしょうが、実際に事業を行うとなるとどのみに資金が必要になってきます。

多くの会社は設立当初、資本金を現金として保有し、それを元手に事業を展開していくことになります。

加えて、銀行融資であったり事務所を借りる時なんかも案外相手は会社の資本金を見てきます。
これは東京なのか、地方なのかによっても違ってきますが少ないよりは多い方が設立当初は信頼という面では強いでしょう。

事業を始める際に1円しか用意できない人物を誰が信用してくれるでしょうか・・・

資金調達、お金を集める方法

そこで創業者は事業を始めるためにお金を調達することになります。
この資金を集める方法ですが大きくは以下のような4つの方法があるかと。

・自分の貯金などで賄う
・親、友人などから借りる
・投資家に出資してもらう
・金融機関から借りる

これは創設者の年齢や始めようとしている事業の経験、実績の有無、そして事業内容によってどれが適しているのか実は変わってくるので、絶対的にこの資金調達の方法が1番イイ!とはイイ切れません。

パッとみ自己資金でやるのが1番だろ!と思いがちですが筆者的にはそうは思いません・・・
これは賛否両論あるかと思いますが。

このお金をどこから集めてどこに割り振って、どのように回して利益を出していくかは経営者の大きな仕事の1つでもあります。

例えば。。。
すぐに利益が出ず、将来も儲かるかどうか分からないIT系のサービスなんかをやる場合は金融機関から借り入れすることはほぼ無理でしょう。
(新規設立の会社の場合)
反対に福祉事業(既存の業態。例えばデイサービスとか)なんかは投資家にとっては魅力の薄い事業となり資金を引き出すのは困難なことでしょう。
逆に銀行などは成功モデルを把握しており多々のデータがあるので資金を貸しやすいでしょう。
福祉事業(保険適応サービス)の場合、売掛金を回収できない!っていう良く聞く事態は免れますしねw

このように自分が行おうとする事業の性格と将来性を考えて資金調達先を選定することになります。
そしてここではスタートアップではなく、あくまで事業を興すって場合を前提に話を進めるので、自然とファーストチョイスは金融機関からの借り入れとなるかと。

この場合、100%他人資本で賄うのは厳しいと思いますでの自己資本も数十%出すことになるかと思います。

で、金融機関と聞くと赤とか緑とか青を思い浮かべる人も多いでしょうが中小企業、零細企業となると地銀、もしくは信用金庫から借り入れるケースがほとんどです。
とはいえ、今の御時世この銀行からの融資、いわゆるプロパーで借りれるってケースもなかなか難しいらしく多くの人は日本政策金融公庫、いわゆる国金に足を運ぶことになるのです。

創業時は必要なくても金融機関からお金を借りた方が良い2つの理由

ちなみに、創業後何年か経ってからの融資よりは創業前の方が国金で事業資金を圧倒的に借りやすいので、筆者としては100%自己資金でまかなえたとしても会社を作る時に国金などで融資を申請しておくことをオススメします。

理由は2つ。

キャッシュはあるにこしたことはない!

1つは会社を経営してたら実感するかと思いますが、現金はあるにこしたことはない。
赤字でも会社は潰れませんが、現金がなくなったら終わりです。特に創業時はなにかとお金が出て行くことの方が多いので自分の計画よりもたっぷり現金を保有しておきましょう。
リスク対策と考えれば国金の金利なんか安いものです。

信用(返済実績)を積み重ねる

2つ目は信用の積み重ね。
金融機関は実績をなにかと重視します。
要するに、借りたものをきちんと返すという実績を積み重ねておくことが重要なのです。
例え月数万円であろうとも。
そうすることによって、融資が本当に必要な時でも比較的審査が通りやすくなる傾向が強い気がします。

この会社は過去に滞りなく返済できているから安心して貸せる!となるワケです。
これが資金繰りにヤバくなって新規で金融機関に融資を申請するとなると・・・
そんな時には財務状況はボロボロでしょうからそんな沈みかかった船に手を貸すような金融機関は世界広しともどこにもありません。

銀行は「晴れの日に傘を貸し、雨の日に傘を取り上げる」というのは割りと事実ですので、余裕がある時から将来の様々な状況を想定して金融機関との信頼関係を築いていくことが会社を成長させていく、存続させていくためには必要不可欠なのです。

そりゃ、事業は生きものですから調子イイ時もあれば、どん底って時もありますから。

というわけで創業時には出来るだけ金融機関からの「信用」を得るために借金しておくことがオススメなのですが、今回のケースは今まで国金と取引実績がなく前年度の決算が赤字の株式会社でも融資を受けることが出来るのか・・・ということですのでそちらの場合を見ていきましょう。

赤字でも日本政策金融公庫から融資をしてもらう事は可能!

前年度が赤字でも国金で融資を受けることが出来るのか・・・
答えはYESです。

もちろん一言で赤字といってもその内容、そして貸借対照表の状態にもよりけりなのですが。

国金で融資を得るために手順

まずは手順を見ていきましょう。

銀行のプロパー融資に比べればすごく簡略的です。
筆者は某銀行から事業融資を受けたこともあるのですが、担当者、支店長との打ち合わせがかなりあった記憶が・・・汗

■借入申込書を提出

■面談(基本1回)

■契約(郵送)

■融資実行

こんな感じです。

このあたりは国金のwebサイトを見て頂ければと思いますが、申請書を出してから融資実行までの期間は筆者の記憶では約2週間でした。

その時の混み具合などに大きく左右されるかと思います。

国金での融資申請に必要なモノ

・借入申込書
・決算書(過去2期分)

2期経過している場合
・見積書

申請する融資で設備投資を行う場合

コレだけです。
尚、借入申込書はwebサイトからダウンロード、もしくは最寄りの国金に行けばもらうことができます。

国金での融資面談に必要な書類

借入申込書を提出すると数日後に担当者から電話があり、面談の日程調整をすることになります。
その時に面談に持ってくる追加書類を指示されます。

尚、後日郵送で面談日が記載された書類も事務所に届きます!

以下は筆者が指示された書類一覧になります。

・直近の試算表
・納税証明書
・代表者の個人口座(直近6ヶ月)
・事務所の賃貸契約書

ちなみに筆者は以下の書類も面談当日に持参しました。

・現在受注が確定している仕事の見積書
・今後受注出来る可能性のあるプロジェクト一覧
・事業計画書

そしていよいよ面談が始まります・・・

国金の融資面談でのポイント、聞かれることとは?

国金が融資しても良い法人か否かをどこで見ているか・・・というと当たり前ですが貸した金を回収できるかどうか。
この一言につきます。

要するに投資ではないので、その法人が10年後にめちゃくちゃ儲かっているかどうかはどうでもよく、据え置きじゃない場合は貸した月からきちんと返済可能かどうか。。。ここを融資判断の超重要項目として見ておるように感じました。

よって何より重視されるポイントはキャッシュフローです。

なのでビックリしたのですが、事業計画や借りた資金の使用用途(設備投資を除く)に関しては担当者から聞かれることがありませんでした・・・
逆にこちらからこの資金はここでこれだけ使います・・・なんて自ら説明していた記憶があります。
まぁこれは担当者によりけりでしょう。

そして前年度赤字法人ということもあり、直近の試算表と代表者の個人口座の中身をめちゃくちゃ詳しく聞かれますw
具体的には通帳と元帳とを照らし合わせて売上を確認したり。。。
単発ではなく定期的に契約している取引先の売上状況、入金状況をチェックしたり。
それはそれは丹念に1つ1つ鉛筆でマルをして確認していた記憶が蘇ります。

こうして各書類のコピーを提出して無事面談は終了。
後日、担当者から審査結果が電話で伝えられ、審査が通った場合は国金から郵送で契約書が送られてきます。
後は書類を確認し、サインして郵送で送り返せばOK。

数日後、指定した口座に振込手数料を除いた融資実行金額が振り込まれていることでしょう。

ポイントのおさらい・整理

今一度、前年度赤字法人が国金でお金を借りる際の面談で押さえておくポイントを整理すると・・・

・キャッシュフローベースで毎月の純利益が最低、月の返済額+αくらいはある
・代表者の現金預金が借入金額の半分くらいある

見せ金はダメ!

後者は上述の項目では触れていなかったですが後日、知り合いの融資担当の銀行マンに話を聞くと指摘されたポイントになります。
この2つを満たしており、面談で好印象を残すことができれば高い確率で前年度が赤字決算でも国金から融資を引き出すことが可能かと思われます。

まとめ.

「前年度が赤字でも国金で融資を受けることは可能なのか?赤字決算で資金調達に成功した社長の体験談。面接で聞かれるポイントと対策とは?」はいかがだったでしょうか。
よく赤字決算だと金融機関から融資が受けられない・・・なんて発言を見かけますが、こと国金においてはそんなことはないかと思います。
ただし、キャッシュフローベースで直近数ヶ月、月の返済額+αの純利益が出ていて、且つ代表者の個人口座に借入金額の半分くらいは資産があるという条件つきですが。

やはり個人的には会社が苦しくなればなるほど金融機関から(特に返済実績がない金融機関)お金を借りることは難しくなるので、出来るだけ余裕があるときから少額でもよいので実績を作っておくほうが賢明だと思います。
将来のリスクヘッジと考えれば金利なんて安いものかと。

理想としては金融機関から「お金を借りてくれませんか?」と言われるくらいの組織にしたいですよね。
少しでもこの記事が資金繰りで悩んでいる経営者の人たちのお役に立てれば。。。

まぁほとんどは資金繰り(キャッシュフロー)がやばくなってから金融機関に相談にいくんだろうけどね。

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